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【サル痘って?】症状や治療法など基本情報を徹底解説!

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未だ新型コロナウィルス感染症が落ち着かない状況ではありますが、サル痘という感染症が欧米を中心に増加しています。

このサル痘はどのような病気なのでしょうか。



目次

サル痘とは?

サル痘は、サル痘ウィルス感染による急性発疹性疾患です。


日本では感染症発生動向調査において、集計の開始された2003年以降、輸入例を含めサル痘患者の報告はありません。2022年5月以降、従前のサル痘流行国への海外渡航歴のないサル痘患者が欧州、米国等で報告されています。

サル痘ウィルスについて

元々は実験動物として採集されたサルの一部が感染し発症していたことが最初の発見契機であったためサル痘と呼ばれますが、サルは感染すると病気になるので本来の宿主ではありません。

本来のウイルス保有動物(自然宿主)はアフリカ棲息のリスやネズミ(げっ歯類)などです。それらの保有動物から直接ヒトに、あるいは保有動物からサルを介してヒトに感染します。

サル痘ウィルスは天然痘ウィルスと同じ種類のウィルスで、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に分類されます。オルソポックスウイルスのうち、4種類のウイルスが人に病気を起こします。天然痘、小痘瘡、牛痘、サル痘です。

症状

サル痘ウィルスはかつて世界中で猛威を振るった天然痘ウィルスと同じ種類のウィルスであるため、症状も非常によく似ています。

サル痘に感染すると5~21日(平均12日)の潜伏期間を経て発病します。症状は、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛、つよいだるさが出た後、1~3日後に水疱(みずぶくれ)が出現します(顔面から体幹部へと広がる)。

水疱は顔以外では手のひらや足の裏、口の粘膜や目の周り、生殖器にも出現します。

多くの場合、2~4週間持続し自然軽快するが、重症化するケースもあります。また、皮膚の二次感染、気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を起こすことがあります。

症状だけでは天然痘と区別することができませんが、天然痘は1980年に地球上からの根絶が宣言されています。

サル痘の致死率は数%~10%程度と報告されています。(先進国での死亡例の報告はありません。)天然痘の致死率は20~50%です。


感染経路

感染動物から噛まれたり、皮膚病変(水疱、膿疱、痂皮、体液など)との接触によりヒトに感染します。

ヒトからヒトへの感染例も若干報告されており、患者の飛沫・体液・皮膚病変(発疹部位)を介した飛沫感染、接触感染があると考えられています


治療法

サル痘に対する特異的な治療法はありません。症状に応じた対症療法を行います。


対策法

サル痘に特化したワクチンはないものの天然痘ワクチンに一定の予防効果があります。

2003年に米国でサル痘が流行した際には、医療従事者や患者の同居家族に天然痘ワクチンの接種が行われました。

天然痘の根絶宣言以降、天然痘ワクチンは国家備蓄となっているため、接種機会は限られています。


法令上の取扱い

サル痘は日本国内では感染症法上の4類感染症に指定されています。

4類感染症とは、主に動物間で流行する病気、飲食物などを介して人に感染する病気を指します。そのため、動物から人への感染は起こり得ますが、人から人への感染は起こらないとされています。4類感染症として有名な病気は、狂犬病や鳥インフルエンザ、マラリアなどがあります。



サル痘の発生状況は?

米国CDC(疾病対策センター)はサル痘の流行は7月15日現在、62の国と地域で確認され、感染者は1万2千人を越えると発表しました。

打ち合わせはスペインが最も多く2800人余り。ドイツ、イギリスと続いています。

CDCは「サル痘は感染後3週間いないで症状が出るため、8月にかけて感染者が増加していく」と述べています。

現在、感染症例の多くはヨーロッパ地域が占めています。(84%)

なお、サル痘を風土病としない国・地域からの死亡例は発表されていません。